七百三十夜 新装版
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七百三十夜 新装版 1
柳沢きみお
アンティーク店を営む吉永明男は、天才ガラス工芸家エミール・ガレの作品を扱うことで、それなりの成功を収めていた。家庭は円満、若い恋人もいる。すべてが順調なはずだったが、満たされない何かが常に心にあった。
そんなある日、店にやってきた女性、行美美美子に明男は雷に打たれたような衝撃を受ける。彼女の存在は、明男の灰色だった世界に鮮烈な色彩をもたらし、生きる意味さえも問い直させる。明男は彼女こそが自分を救ってくれる「救世主」だと信じ、彼女を手に入れるためならとすべてを捨てる覚悟を決める。
美美子への狂おしいほどの想いは、果たして彼を救う光となるのか、それともすべてを破壊する闇となるのか。 -
七百三十夜 新装版 2
柳沢きみお
アンティーク店を営む吉永明男は、天才ガラス工芸家エミール・ガレの作品を扱うことで、それなりの成功を収めていた。家庭は円満、若い恋人もいる。すべてが順調なはずだったが、満たされない何かが常に心にあった。
そんなある日、店にやってきた女性、行美美美子に明男は雷に打たれたような衝撃を受ける。彼女の存在は、明男の灰色だった世界に鮮烈な色彩をもたらし、生きる意味さえも問い直させる。明男は彼女こそが自分を救ってくれる「救世主」だと信じ、彼女を手に入れるためならとすべてを捨てる覚悟を決める。
しかし、美美子は妻子ある男性との関係をきっぱりと拒絶。打ちのめされた明男は、彼女を忘れようと決意する。だが、時を同じくして妻に若い恋人との浮気を問い詰められ、家庭は崩壊の危機に瀕する。 -
七百三十夜 新装版 3
柳沢きみお
アンティーク店を営む吉永明男は、妻と子、そして若い愛人がいながらも満たされない日々を送っていた。そんな彼の前に現れた謎の美女、行美美美子に、明男はすべてを捨ててもいいほどの狂おしい愛を抱く。
ついに美美子と関係を持った明男は、生きていることの喜びを初めて実感する。しかし、それも束の間、美美子から衝撃的な提案を受ける。「私たちの関係は2年で終わりにしましょう」と。
明男は、2年後、七百三十日という期限の後に、家庭を捨てるか、愛を捨てるかという究極の選択を迫られる。美美子と過ごす、限られた至福の時間は、同時に、刻一刻と迫る決断のタイムリミットを意味していた。幸せと引き換えに失われていく自由な日々。明男は、愛と破滅の狭間で、徐々に追い詰められていく。 -
七百三十夜 新装版 4
柳沢きみお
アンティーク店を営む吉永明男は、人生の虚しさを埋めるように、謎の美女・行美美美子に狂おしいほどの愛を抱いていた。
ついに彼女を手に入れた明男は、生きている喜びを実感する一方で、死をも恐れなくなる。いつ死んでもいい、彼女を手に入れたのだからもう何もいらない――そう思った彼は、自身の最も大切な宝物であるガレのガラス工芸品を美美子に贈る。
そんな中、明男は道端で座り込む女子高生と出会う。父親に置き去りにされたという彼女に、明男はなぜか「生活のすべてを面倒みる」と申し出る。歪んだ愛を美美子に注ぐ一方で、今度は見知らぬ少女に救いの手を差し伸べる明男。一方、美美子の勤める画廊には、才能あふれる若き無名画家が作品を持ち込みに来る。この画家との出会いが、美美子と明男の関係に、新たな波紋を投げかけることになる。 -
七百三十夜 新装版 5
柳沢きみお
アンティーク店を営む吉永明男は、人生の虚しさを埋めるように、謎の美女・行美美美子に狂おしいほどの愛を抱いていた。
美美子と関係を持った明男は、男として、また人間として成長したような感覚に浸っていた。彼女を手に入れるためなら、すべてを捨ててもいいとさえ考えていた。
だが、美美子の世界もまた大きく揺れ動いていた。勤務する画廊のオーナーからは愛人になる代わりに画廊を譲るという取引を持ちかけられ、才能あふれる新進画家の沢渡からは愛を告白される。美美子は、明男への想いと、自身の未来をかけた選択肢の間で葛藤する。
一方、明男は満たされない日々を送る中で、妻の妙な明るさに違和感を覚えていた。それはまるで、嵐の前の静けさのようであり、彼をさらに深い不安へと引きずり込んでいく。愛と破滅の狭間で、彼らの運命は複雑に絡み合い、破滅へのカウントダウンが静かに始まっていた。 -
七百三十夜 新装版 6
柳沢きみお
アンティーク店を営む吉永明男は、人生の虚しさを埋めるように、謎の美女・行美美美子に狂おしいほどの愛を抱いていた。
美美子と関係を持った明男は、男として、また人間として成長したような感覚に浸っていたが、それは同時に、愛の美しさだけではなく、人間の持つ深い「業」の悲しさをも知ることだった。
そんな中、美美子から衝撃的な告白を受ける。「結婚しなくてもいいから、あなたとの子供が欲しい」。美美子は、そうすることで、明男と離れずにいられるのではないかと願っていた。
しかし、その言葉は、明男をさらなる重圧へと突き落とす。愛する女性との間に新しい命を授かるという幸福なはずの未来が、明男にとっては、逃れることのできない「業」に縛られる、重苦しい現実のように感じられた。
美美子との関係が深まるほどに、明男は愛の歓喜と、それに伴う苦悩の狭間で身動きが取れなくなっていく。彼が選ぶべき道は、果たしてどこにあるのか。
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