愛が残酷に奏でるとき
もろおか紀美子
アイルランド出身の作家、オスカー・ワイルドの愛と波瀾の人生を描く。
ヴィクトリア王朝時代のイギリスでは、
同性愛は堅く罰せられていた。
“芸術において両性間に境界線はない”
そう願い主張し続けたオスカー・ワイルドが
その栄光の全てを失ったのは、この罪に問われたからだった――。
32歳のワイルドに、この禁じられた快楽を
甦らせたきっかけは、当時17歳の少年の接近であった。
彼の名はロバート・ロス。
カナダの名門出身でケンブリッジに在学していた。
ワイルドは若くて美しい青年にのめり込んでいく。